「雲の王」

天気予報が舞台となった小説をご存じでしょうか?

それがこちら!

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天気予報をする人間が主役のこの話し。すごく取材をされて勉強されたんだなという印象。ウェザールームでもまさにこんな感じの会話してるわーという独り言を言いたくなるのを抑え、電車の中で読みました。

空気が上昇し、目に見えない水蒸気が小さな水滴となり雲に変わっていく。

その目には見えない上昇気流を昇り龍の姿で描写し、雲龍は時に雷という咆哮を轟かせ、激しい雨をザーッと降らせる。

数十分もすれば何事もなかったかのように姿を消し、穏やかなわた雲の浮かぶ空になる。

幼い頃に絵本か何かで見た伝説の中の龍は、山から山へと空を飛んでいるイメージがある。「日本・・・話」のオープニングか。

そうだ、我々は空に偉大な龍の存在を感じていたのだ。

 
現在の自分には水蒸気の龍が見える力は残念ながらないので、

きょうも天気図とにらめっこ・・・。

ある地方で外番と呼ばれる空を見ることを運命づけられた一族。その末裔が近年のゲリラ豪雨や台風にみた自然の脅威と美しさとは。

 

「来ることが分かっていても防ぎきれない災害がある」

 

 
そんな一文が心に響いた。
自然の中で生かされている、我々はそこに人智を越えた悠久の大きな力を感じるでしょう。
「気象災害をゼロにする」なんて簡単には言えないなと思わされた。

気象予報士は必読である!
天気の内容はリアル、ストーリーはファンタジー、

その境界線で発生した物語の霧の中をただ彷徨えばいいのだ。

霧中で、いや夢中で一気に読めるはず。