記録的な猛暑!というより炎暑?酷暑?
気象キャスター人生で2度も日本記録更新のタイミングに立ち会うとは・・・
激動の気象の時代でこの仕事に携わっているのだと実感します。
この猛暑以前の大雨の際に、「どう伝えれば人の命が救えたのか」ずっと考えていました。
できる限りのことはしました。「大災害レベルです」「特別警報を待たないでください」「早めに避難を」「今回の大雨はいつもと違います」「予想雨量500ミリの意味は、2か月分に相当し大きな災害が起きるおそれがあります」などなど・・・
どんなに情報をかみ砕いても、
痛感するのは「行動してもらわないと意味がない」ということ。
大きな壁と向き合っている感覚です。「自分は大丈夫」「みんな逃げないから自分も」「ここは今まで災害が起きたことがない」という・・・
極論を言えば
「逃げないと死にますよ」ぐらい言えればよかったのかもしれません。
ただ、気象予報士がやれることとやれないことがあります。
「大雨の予想はできても、どこで災害が起きるかという災害予想はできない」
「どこどこで崩れるので、逃げてください」これが言えればいいのですが・・・。
ただ、気象キャスターの経験値と勘を磨くことによって、近いことはできるかもしれません。
今回の猛暑において、この経験を踏まえどう伝えるか悩みました。
熱中症により、たった1週間で2万人以上が救急搬送されています。これも大災害です。
「熱中症対策をしないと死にますよ」
さすがにこれは直接過ぎてテレビでは言えません。
ギリギリの伝え方を考えたつもりです。
「大雨が迫っていれば避難しますよね、記録的な熱波も押し寄せています。だから、エアコンを使って避難行動してください」と。
「熱波も気象災害ですよ」
「自分の限界ラインよりだいぶ手前で対策を取りましょう」
「まさか自分がではなくて、もしかしたら自分がという意識で」
・・・う~ん、まだまだ試行錯誤は続きそうです。この先もずっと。
どの天気予報よりも分かりやすく、気合いの入った情報を伝えられるように精進します。