3月11日和歌山県すさみ町にて
3月11日に防災講演で和歌山県すさみ町に行ってきました。
大阪から電車で約2時間半。
列車「くろしお」に乗って白浜の辺りに近づくと、窓に一面海が広がります。白浜を過ぎてすさみ町の間は、ウミガメの産卵地でもあるそうです。
駅に着くと早咲きの桜が咲いていました。調べましたらおそらく「大寒桜」ではないかと。
南海トラフでM8クラスがくれば、この場所は最大10m以上津波がくる場所です。リアス式海岸で入りくんでいて、波が集中するような場所もハザードマップでは予想されています。
海のすぐ近くには山の斜面がありますが、急すぎてすぐに上がれるかといえば、なかなか難しかったりします。実際見てみて実感しました。
ただ、岩盤と土が強くて大雨には比較的強く、土砂崩れは小さいものはあるものの、大きな崩れというのはそうない所です。2011年の大雨では川が氾濫して橋が流されたことはあったそうです。
いろんな所へ行かせていただくたびに気象予報士として離れた所から地図だけ見ていてもわからないことがあるのだというのがよくわかります。それぞれの地域で起こりやすい災害は全然違います。役場の方やお年を召された方に聞くと、どこでどれほど危ないかはしっかりと認識されていて、気象キャスターの仕事というのは、その方たちにきちんと予想雨量の情報を渡すといった所なのでしょう。
その土地にまだ馴染みが薄いという方もこういった方々と情報共有できるような機会があればいいですね。数年に1度、できれば年1度、防災講演などがそういった機会づくりになれれば幸いです。
自然が豊かでその恵みをたくさんもらえる素敵な場所は、天気が荒れる時は自然の脅威にもさらされやすい場所でもあります。1年のうちのほとんどは恩恵を受けられますが、年に数回の危ない時は、どうか無理をせず、早目に安全な所へ避難していただきたいです。ましてや、数十年に1度のような津波の時にはなおさらです。
その場所その場所の生き方(Living rule)があるんですね。