東日本を襲った豪雨について

ここでは、メカニズムなどは詳しくは書きません。

それはテレビの中で画面などを使って詳しく説明させて頂いています。

今回の豪雨について、特に防災について僕なりの言葉で重要なことをいくつか説明させて頂きます。

まず、「50年に1度レベルの~」という表現が近年頻発しているため、正しく伝わっていない可能性があると思います。一般の方からするとこれを言われてもよくわからないという方が多いようです。50年に1回だからもう起こらないだろうとかボジョレヌーボみたいな表現で余計にわからないだとか。。。

 

近年頻度が増えている警報の基準をはるかに超えるような大雨などの現象について最大級の警戒をしていただくために2013年頃から使い始めた表現です。

その地域で50年に1度レベル」ということなので、日本として50年に1度ではありません。

その地域の過去の災害データを参考にしながら、50年に1度レベルというのが各地域設定されています。その基準に達したもしくは達するおそれがあるような時に出される表現です。よく聞くということは、安く使っているわけではなくて、あちらこちらで起こっているということなのです。

 

特別警報も今回発表されました。特別警報は警報の基準をはるかに上回る、それこそ数十年に1度しか起こらないようなレベルの時に警報から切り替わるものです。

 

注意報とは、災害が起こるおそれがある時。

警報とは、人命に関わる重大な災害が起こるおそれがある時。

土砂災害警戒情報とは、大雨警報が発表されているとき、土の中の水分量などを計算して特に危険度が差し迫っている時に発表されるもの。

特別警報とは、警報の基準をはるかに上回り数十年に1度レベルの現象が起こっている、もしくは起こるおそれがある時に発表される、気象庁が出すアナウンスとして最後通告になるもの

よく言われる問題は、特別警報があるため従来の警報が格下げしたような誤解を受けるということ。警報の時点で十分警戒しなければならないのです

特別警報が出るような時は、もうどこかで人命に関わる災害が起こっている、起こり始めている差し迫った状況で出るものなのです。つまり、その段階では周りの様子を見に行くという状況ではなくて、今すぐ命を守る行動をとってくださいと気象庁はアナウンスをします。

「命を守る行動」これもよくわからないという指摘がありますが、

あえて、僕の言い方にすると、気象庁が「みなさん死なないで下さい」と最後通告しているものが、特別警報であり「命を守る行動を」のアナウンスなのです。

「命を守る行動をとってください」の表現に賛否がありますが、これについては気象庁が、もうそうとしか言いようがないということです。

なぜならそれぞれ状況が違うからです。たとえば、避難所に行けないくらい水が町中にきていたら家の屋根に上るとか天井を突き破って屋根に上るとか電柱にしがみつくとか近所の頑丈な建物に移らせてもらうとか、今回の災害みていただけたらイメージができると思います。その時の状況では、このような具体的な指示をいちいちできません。ご自身で判断しなければならないのです。とはいえ、難しいですよね。

なので、普段からいかに想定しておくかが大事なのではないでしょうか。

 

避難指示が出ていなかったと一部のマスコミが指摘していますが、これもよく考えてください。大きな災害になればなるほど公共機関も被災するのです。しかも真夜中の災害であれば情報が混乱し遅れることも考えられます。いくら市長や役場でも経験したことがないことが起こるので100%のことをしてくれるとは期待できません。ただし、被災された方にとっては「情報が出てさえいれば・・・」と悔やまれるのは当然です。被災していない僕がこう書いていても防災の知識を今更披露しているにすぎないと感じるでしょう。

でも、今回被災されていない方は、僕と一緒に考えてください。

あなたの家族を守るために早めの防災行動が必要です。自分は一人暮らしですが・・・という人はなおさらです。あなたを助けに離れた家族が様子を見に行って災害に巻き込まれることも考えられます。

防災行動は自分のためと考えると、行動できません。なぜなら人間は「自分は大丈夫」と考えてしまうからです。これを心理学で「正常性バイアス」といいます。大切な人のためにと考えるなら、この催眠は解かれます。

そして、

自助:共助:公助=7:2:1が防災の基本とされていますが、我々日本人の防災意識は、自助:共助:公助=1:2:7と現実には逆転しています。

その割に避難指示が出ても避難行動をとる人は1割程だそうです。。。

 

まとめますと、

特別警報というのは、自衛隊の助けがいるレベルと考えていてはどうでしょう。

そして、みなさんの寝室に懐中電灯やラジオの用意はありますか?懐中電灯は別に防災グッズという規定ではなくてもご自身が使いやすいものでも結構です。ないよりはマシです。ただ防災グッズのものに越したことはないでしょう。

今回、洪水の被害にあったある母親が家の1階が浸水し始めた時、2階に避難している子供に、万が一のことを考えて、とっさに夏のプールなどで使った、子供用わきにはさむ浮き輪をもたせたそうです。結局それは使わずに済み、自衛隊のヘリで救助されたそうですが、命を守る行動をとってくださいというのは、こういうことなのかもしれません。机上での防災アナウンスではできないすばらしい発想です。それぞれの状況でのこういうことなので、命を守る行動をとってくださいとしかそれ以上言えない理由がわかっていただけたでしょうか。

我が家でも今一度、住んでいる地域のハザードマップを確認し、万が一災害が起こったらどうするか話し合いました。

 

一刻も早い復旧と安否確認、そして今後二次災害がないことを願います。

 

僕なりの言葉で説明しましたので、改めて気象庁HP上の防災コンテンツや特別警報の定義などは確認されることをおすすめします。